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I3Cを活用してより速く/よりシンプルに/より柔軟なIC間通信を実現(DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介)

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No. 1996 2025. 4. 8
I3Cを活用してより速く/よりシンプルに/より柔軟なIC間通信を実現
(DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介)
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I3Cを活用してより速く/よりシンプルに/より柔軟なIC間通信を実現
(DigiKey社【アプリケーションラボ】技術解説記事のご紹介)
 「アプリケーションラボ」は、DigiKey社のご協力をいただいて、DigiKey社が公開している新製品や技術情報を日本語でご紹介するWebページです。基礎技術から最新技術まで有益な情報を公開していますので、是非ご活用ください。

 今回は、I2Cの上位互換で高速データ通信を可能にした新しい2線式のインターフェース規格であるI3Cについて解説した記事をご紹介します。

I3Cを活用してより速く/よりシンプルに/より柔軟なIC間通信を実現

 プリント基板上のデバイス同士やマイコンと外部センサとの通信などには、Inter-Integrated Circuit(I2C)やシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)が一般的に使用されています。通信速度はI2Cが最大1Mbps、高速のSPIは最大10Mbpsです。I2Cは2線ですがSPIは4線が必要で、割り込みが必要な場合やデバイスが増えてチップイネーブルが必要になるとさらに配線が増えます。

 そこで、通信速度を高速化して配線数を削減するために、モバイルデバイス向けのインターフェース規格を標準化するために設立された業界団体であるMIPIアライアンス(Mobile Industry Processor Interface Alliance)は、I3C(Improved Inter-Integrated circuit)というI2Cの上位互換となるインターフェース規格を策定しました。

 I3C規格は、MIPIアライアンスと半導体メーカーやコンピュータ関連機器メーカーとの共同作業で開発され、2017年に一般に公開されています。I3Cの通信速度は最大12.5Mbpsで、I2Cの2線式の利点とSPIの高速通信の利点を組み合わせています。I3Cがモバイルアプリケーションに使用される場合は、SenseWireとも呼ばれます。

 I3Cでは、プッシュプルドライバを採用することで高速通信と低消費電力を両立させています。また、専用の割り込み線を必要とせずに割り込みを通知できるインバンド割り込み(IBI)を採用しています。

 さらに、転送速度を向上させるために次のような動作モードが用意されています。

・SDR(Single Data Rate) 標準モードで最大12.5Mbps。

・HDR-DDR
(High Data Rate-Double Data Rate)
クロックの両エッジを使い約2倍のデータ転送速度を実現。

・HDR-TSP(High Data
Rate-Ternary Symbol Protocol)
I3Cデバイス専用バスで1クロックあたり3ビットのデータをエンコードして伝送。

・HDR-TSL
(High Data Rate-Ternary Symbol Legacy)
I2CとI3Cが混在するバスで1クロックあたり3ビットのデータをエンコードして伝送。

・HDR-BT(High Data
Rate-Bulk Transport)
複数のデータ線(クワッド、デュアル、シングル)を使用して、8倍、4倍、2倍のデータ転送速度を実現。


 I3Cを採用したデバイスはまだ少ないですが、今後はI2CやSPIはI3Cに置き換えられていくものと思います。

 【アプリケーションラボ】では、I3C規格が策定された背景とI3C規格の詳細について解説した後、I3Cを採用したNXP Semiconductors社のデバイスやTDK InvenSense社のデバイスを紹介しています。

 ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。


32ビットArmマイクロコントローラ【LPC5534JHI48/00MP】
 I3Cに対応するマイコンには、NXP Semiconductors社のLPC5534、Microchip社のPIC18-Q20、STMicroelectronics社のSTM32H5などがあります。NXP社のLPC553x/S3x MCUファミリは、Arm Cortex-M33をベースに汎用性を高めた費用対効果に優れたMCUです。
・単価:¥1,589(税込)
・Arm Cortex-M33コア(最大150MHz動作)
・128KBフラッシュメモリ、96KB SRAM
・インターフェース:Flexcomm(I2C、I3C、SPI、UART/USART)、CAN FD
・パッケージ:48ピンHVQFN(7×7mm)

 ▽デジタル温度センサ【P3T2030CUKAZ】
 NXP社が開発したI3CとI2Cに対応したデジタル温度センサです。低消費電力設計で高精度な温度測定を可能にし、IoTデバイスや産業用アプリケーションなど、幅広い用途に適しています。
・単価:¥172(税込)
・測定範囲:-40°C~+125°C
・精度:±2°C
・分解能:12ビット
・動作電圧:1.4V~1.98V
・パッケージ:WLCSP-4(0.83×0.78mm)

6軸MEMSモーションセンサ【ICM-42605】
 TDK InvenSense社が開発した3軸ジャイロスコープと3軸加速度計を組み合わせた6軸MEMSモーションセンサです。歩数計、傾き検出、モーションウェイクアップ、タップ検出などのAPEXモーション機能を搭載しています。
・単価:¥910(税込)
・インターフェース:I3C、I2C、SPI
・最大データ転送速度:25Mbps(DDRモード)
・電源電圧:1.71V~3.6V
・パッケージ:14ピンLGA(2.5×3×0.91mm)

I3Cバススイッチ【P3S0200GMX】
 高速通信が必要なサーバーやワークステーション向けにNXP社が開発したI3Cバス用のマルチプレクサICです。差動出力を2:1や1:2に切り替えるバスマルチプレクサとして動作します。信号のエッジや位相の歪みを最小限に抑えます
・単価:¥202(税込)
・周波数帯域幅:最大52MHz
・動作電圧:2.3V~3.6V
・パッケージ:XQFN10 (1.55×2×0.5mm)

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MCUに入力する疑似入力信号回路治具の製作 【LP84:製作事例編】

 MCUを含むシステム回路をテストする為の疑似入力信号回路基板を製作しました。VRにて直接DC±2.5[V]の信号を入力することが出来ます。また物理的なSWでON/OFF信号を入力出来ます。

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