カーボン抵抗と金属皮膜抵抗の使い分け方

カーボンとキンピ

固定抵抗器の中で良く用いられるものとして「カーボン抵抗」と「金属皮膜抵があります。カーボン、金属皮膜とは抵抗体の材質です。カーボン抵抗の正式名称は「炭素皮膜固定抵抗器」、金属皮膜抵抗は「金属皮膜固定抵抗器」で「厚膜型」と「薄膜型」があります。厚膜型は汎用的な金属皮膜抵抗で俗に「キンピ」と呼ばれます。薄膜型は厚膜型をさらに高精度にしたものですが、このまめ知識では「厚膜型」について解説します。

電気的特性

抵抗値許容差
一般的に「誤差」と呼ばれ定格抵抗値に対する許容値(誤差)です。

(カーボン抵抗)
一般的に±5%
例えば1KΩの抵抗は「950Ω~1050Ω」の範囲内となる。
(金属皮膜)
±0.5%、±1%、±2%の規格が多く、±1%が一般的。
例えば1KΩの±1%は「990Ω~1010Ω」の範囲内となる。

抵抗温度係数
抵抗値は温度によって変化します。温度変化に対する抵抗値変化の割合を「抵抗温度係数」と言い、1℃に対する抵抗値の割合として表現し、単位は「±Xppm/℃」です。(Xは数字)ppm (パーツ・パー・ミリオン)100万分の11ppm = 1×10-6 = 0.0001%例えば、「±100ppm/℃」の規格であれば、20℃の変化 → ±100ppm×20 = ±2000ppm = ±0.2%1KΩの抵抗であれば20℃の変化で 1000Ω×±0.2% つまり998Ω~1002Ωに変化

(カーボン抵抗)
温度係数が大きいので一般的には規定されていない
(金属皮膜)
一般的に±50ppm、±100ppm、±200ppmで規定

このように金属皮膜はカーボンと比較して特性が優れています。

使い分け
金属皮膜はカーボンと比較し、特性が優れていますが、価格も高くなります。それぞれ、用途によって使い分けますが、図1、図2に選択例を示します。

カーボン抵抗で良い場合
金属皮膜を必要とする場合

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