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今回は、高周波信号の伝達に使用される同軸ケーブルとコネクタについて解説した記事をご紹介します。
■GHz帯の同軸コネクタとケーブルアセンブリの理解と選択
現在はデジタル信号もギガヘルツが当たり前になり、高周波信号を伝達するための同軸コネクタや同軸ケーブルの役割が重要になっています。同軸コネクタはメスのジャックとオスのプラグで構成されます。理想的なコネクタは、嵌合・脱着などの機械的特性を備え、抵抗やインピーダンスに不連続性がなく電気的透明性を持つ必要があります。
高周波信号の伝達には、古くからBNC(Bayonet Neil-Concelman)コネクタと同軸ケーブルが使用されてきました。BNCコネクタは、1/3回転で素早く着脱できる「バヨネット」方式を採用したロック式コネクタで、50Ωと75Ωのタイプがあり、1950年代から広く使用され、現在も使用されています。周波数特性は4GHzが定格です。また、同軸ケーブルの構造は、中心が銅導体で、その周りを誘電体とシールドで覆い、外周が絶縁体になっています。
より高い周波数で使用したり、より小型化するためにBNCコネクタ以外に様々なコネクタが使用されています。業界標準のコネクタには、SMA、SMB、SMP、MMX、MMCXなどがあり、いずれも標準的な50ΩのRFインピーダンスを備えています。
【アプリケーションラボ】では、Wurth Elektronik社のコネクタを例にして、各種同軸コネクタの特長と使い方を解説しています。
SMA(Sub Miniature Type A)同軸コネクタは、小型のネジで嵌合する小型のタイプで、激しい振動に対して安定した機械強度を示します。周波数範囲が広く、耐久性に優れています。18GHzの帯域まで使用できるものもあります。
SMB(Sub Miniature Type B)同軸コネクタは、SMAよりもさらに小型で、ネジではなく脱着が容易なスナップオン式で嵌合する構造になっています。DC~4GHzまでの帯域で使用されます。
SMP(Sub Miniature Push-on)同軸コネクタは、スライドインとスナップオンの両方の機能を備えた小型コネクタです。DC~40GHzの帯域まで使用できます。最大保持力のフルデント、リミテッドデント、保持力の小さいスムースボアという3種類があります。
MCX(Micro Coaxial)同軸コネクタは、スナップオン式の小型コネクタで、DC~6GHzの帯域まで使用できます。
MMCX(Micro Miniature Coaxial)同軸コネクタは、MCXコネクタより約30%の小型化を実現し、超小型設計に適しています。DC~6GHzの帯域まで使用できます。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
SMAコネクタ(プリント基板終端、ジャック) 【60312242114510】 ¥934.22(税込¥1,027.64) |
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SMBコネクタ(プリント基板終端、ジャック) 【61611002121501】 ¥1,304.71(税込¥1,435.18) |
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SMPコネクタ(プリント基板終端、プラグ) 【60114202122305】 ¥1,032.06(税込¥1,135.26) |
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MCXコネクタ(プリント基板終端、ジャック) 【60612202111308】 ¥884.22(税込¥972.64) |
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MCXコネクタ(圧着タイプ、プラグ) 【66046011210320】 ¥696(税込¥765.6) |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
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