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今回は、小型で高効率の電源を実現する際に便利なPower Integrations社のスイッチデバイスについて解説した記事をご紹介します。
■高効率・低コストのオフライン電源を実現する統合GaNスイッチの使い方
スマートフォンや携帯機器の爆発的な増加に加えてIoT機器も様々な場所で使用されるようになり、100Wまでの小型電源の需要が急増しています。そこで、小型で低コストという要求に応えるため、従来のシリコン(Si)に代わり、窒化ガリウム(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体が注目されています。 バンドギャップは、電子を価電子帯から伝導帯に励起させるのに必要なエネルギーです。Siの場合は1.1eV(電子ボルト)ですが、SiCは3.3eV、GaNは3.4eVという高い値で、Siに比べて大幅に高い電圧、高い周波数、高い温度で動作させることが可能です。さらにスイッチング損失や伝導損失も低く、伝導特性とスイッチング特性はSiのおよそ10倍優れています。 ただし、高速でスイッチングさせるには浮遊インダクタンスや静電容量を避ける基板レイアウトが要求され、スイッチングによる損傷から守る保護回路なども必要になります。そこで、Power Integrations社が開発したInnoSwitchというPowiGaNスイッチャICを使用すると、高効率で小型の電源を少ない部品点数で実現することができます。

【アプリケーションラボ】では、GaNデバイスを使用するメリットについて解説した後、Power Integrations社のPowiGaNスイッチャICの特長や仕様、回路構成、オンライン設計ツールなどを紹介しています。 Power Integrations社は、1988年に設立された米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く電源ICの専業メーカーです。InnoSwitchは、オフラインフライバック電源用に、1次側の回路と2次側の同期整流回路を1パッケージにした製品です。オフラインとはトランスにより1次側と2次側を絶縁することであり、フライバックは100Wまでのスイッチング電源によく使われている回路方式です。
InnoSwitchには、PowiGaNとFluxLinkというPower Integrations社独自の技術が採用されています。PowiGaNはSiの代わりにGaNをスイッチ素子に使用し、全負荷範囲で最大95%の効率と、密閉型アダプタの実装で最大100Wをヒートシンクなしに実現できます。 FluxLinkは、1次側と2次側を磁束によりフィードバックする技術です。磁気による接続なので、絶縁にフォトカプラを使用する必要がなく部品点数を減らすことができ、経年変化による劣化も避けられます。FluxLinkは高速な負荷過渡応答が可能で、世界のあらゆるノイズイミュニティ規格にも対応しています。 InnoSwitchには用途により異なるファミリがあります。例えば、InnoSwitch3-CPはバッテリー充電器などの民生用で、InnoSwitch3-EPはオープンフレームAC/DC電源などの産業用、InnoSwitch3-ProはI2Cインターフェースを備えソフトウェアで制御する機器用となっています。
ここで解説されているデバイスは、マルツオンラインのウェブサイトで購入できますので、是非参考にしてください。
▼ InnoSwitch3-CP INN3379C 【INN3379C-H302-TL】 ¥1,086 (税込¥1,194) |
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▼ InnoSwitch3-CP INN3278C 【INN3278C-H114-TL】 ¥812 (税込¥893) |
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▼ InnoSwitch3-EP INN3678C 【INN3678C-H605-TL】 ¥812 (税込¥893) |
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下記の2本の解説記事も同時に公開しました。合わせて参考にしてください。
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