■自動運転やロボットの高精度自動制御の基礎を学ぶ
●数百円のワンチップ・マイコンで確率・統計処理する時代
真値を高速に推定するこの技術は,マイコンなどの小さなコンピュータでも十分に処理できる軽い信号処理アルゴリズムなので,自動走行する自動車やロケットの姿勢制御,高精度なGPS測位,株式/マーケティング予想まで,人に代わって動く無人の組み込みシステムに,導入されています.
本動画セミナでは,STマイクロエレクトロニクスのSTM32マイコン・スタータキット“Nucleo”にカルマン・フィルタを実装し,倒立振子をまっすぐ静かに安定させます.その実力を実演で証明します.
目的は,真値推定アルゴリズムの一種である「カルマン・フィルタ」を理解することです.カルマン・フィルタは,自動運転をはじめとする高精度自動制御やデータ解析の分野におけるキー・テクノロジです.本セミナでは「倒立振子ロボット」を題材として,カルマン・フィルタの理論と実装方法を解説します.
●対象
・エンジニアリングで共通して使われる「数学」を学びたい方
・ロボット制御の手法である「現代制御理論」を理解したい方
・一般的な「モデル・ベース開発」の考え方を理解したい方
・真値推定アルゴリズム「カルマン・フィルタ」を理解したい方
■本製品の紹介動画
(1)Part1:初等関数と微分・積分
「関数」,「微分・積分」,「線形代数」という3つの分野は,ロボット設計,ディジタル信号処理,電子回路設計など,あらゆる理工学の基礎になっています.本セミナでは,まず「初等関数」と「微分・積分」の基礎理論を丁寧に解説します.
1.イントロダクション
統計学の面白さ/「統計的推定」を行う信号処理
2.初等関数
多項式関数・有理関数/三角関数/指数関数/対数関数
3.微分・積分/1変数関数の微分
1変数関数の積分/オイラーの公式/2変数関数の微分/2変数関数の積分/ガウス積分
(2)Part2:線形代数
線形代数の基本や線形システムの利点を解説します.線形代数は,後で解説する「現代制御理論」の基礎となります.
1.入力・出力がある「システム」を考える
2.線形システムの利点
3.線形代数/ベクトル/行列/行列式/行列と連立1次方程式/固有値と固有ベクトル/対称行列と2次形式
(3)Part3:力学
力学を学ぶと,ロボットなどの物体の働き方を理解したり予測したりできるようになります.本セミナでは,「ニュートンの運動方程式」から,力学モデルを作るときに役立つ「ラグランジュの運動方程式」,倒立振子のモデル作成例まで,体系的にわかりやすく解説します.
1.イントロダクション
「力学」のキー・ポイント/「運動」のとらえかた
2.力学
ニュートンの運動方程式/オイラーの回転運動方程式/剛体の運動/回転座標系とコリオリカ
3.解析力学
4.倒立振子のモデル作成例
(4)Part4:現代制御理論
現代制御理論の特徴は,複数の値を同時に扱えることです.この複数の値を同時にフィードバックすることを「状態フィードバック」といいます.状態フィードバックで使うフィードバック・ゲインを効率良く求める手法を「最適制御」といいます.本セミナでは,システムの安定化に利用される状態フィードバックや最適制御などの制御理論を解説します.セミナで講演する状態方程式はカルマン・フィルタの理解にもつながります.
1.現代制御理論のキー・ポイント
2.状態方程式
3.可制御性と可観測性
4.安定性
5.状態フィードバック
6.オブザーバ
7.最適制御
(5)Part5:確率・統計
確率・統計はIoTセンサ・データの解析,AI,電子回路,土木・建築など多くの分野で広く活用されています.本セミナでは統計学全般で重要な役割を果たす「正規分布」をわかりやすく解説します.
1.確率・統計のキー・ポイント
2.記述統計
3.確率の基礎
4.確率変数と確率分布
5.2次元の確率分布
6.正規分布
7.中心極限定理
(6)Part6:カルマン・フィルタ
無人機やロボットが目的地に向かって走行したり航行したりするには,自分自身の「位置」や「姿勢」を正確に知ることが重要です.しかし,センサによる測定値には,誤差が含まれます.カルマン・フィルタは,センサの測定値から誤差を取り除くための技術です.本セミナでは,自動運転をはじめとする高精度自動制御やデータ解析の分野におけるキー・テクノロジ「カルマン・フィルタ」の理論を基礎から解説します.
1.イントロダクション
カルマン・フィルタのキー・ポイント
カルマン・フィルタの動作
2.時系列データ
3.最大事後確率推定(1変数)
4.カルマン・フィルタの導出(1変数)
(7)Part7:フーリエ解析
フーリエ解析は,信号処理,電子回路,線形システムなどの工学分野に広く利用されている数学的手法です.本セミナでは,フーリエ解析の考え方の要点をわかりやすく解説します.
1.電気」に関する微分方程式:マクスウェル方程式
2.インダクタとキャパシタの挙動
3.交流回路理論
4.フーリエ変換
5.フーリエ変換と線形性
6.微分方程式」を「代数方程式」にする
7.ラプラス変換
8.z変換
■テキスト・サンプル(PDFファイル)