基板熱解析ツール&マニュアル付きの講義ビデオ/講義テキストのセット
本製品は,2021年10月8日にZEPエンジニアリングが開催した全国オンライン・セミナ「事例に学ぶ放熱基板パターン設計 成功への要点 」の講義ビデオと講義テキスト,基板熱解析ツール&マニュアルをセットにしたものです.
多層基板に実装された小型部品の場合,90%以上の熱が基板を経由して逃げます.このため,基板設計の良否が部品の温度に大きな影響を及ぼします.基板設計において熱に関して注意すべき点は,「①部品自身の放熱能力を高めること」,「②基板の放熱能力を高めること」,「③隣接部品からの受熱を防ぐこと」の3つに集約されます.
これを確実に実行するには温度の予測が必要ですが,「熱」は感覚的に捉えられるものの,定量化が極めて難しいという特徴を持ちます.しかし,高価な熱流体解析ソフトによる基板シミュレーションソフトを基板設計者が簡単に利用することはできません.そこで本セミナでは,Excelをベースにした温度分布シミュレータを用いて,基板の熱対策を確実に実施する方法について解説しています.
本製品に同梱されている説明書には,講義ビデオや講義テキスト,基板熱解析ツールの視聴を可能にするパスワードが記載されています.
※本製品のすべての映像,画像,文書テキスト,ソースコードは著作権法によって厳格に守られています.無許可の転載,複製,転用は法律により罰せられます.
著者・講師: 国峯 尚樹
企画・制作: ZEPエンジニアリング
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図1 実習で使う基板温度分布シミュレータ | 図2 熱対策が必要な部品かどうかを見分けるグラフ |
■講義テキストの内容
(1)電子機器熱設計のトレンド
・電力密度の増大と部品の小型化による影響
・部品の放熱経路の変化
(2)「熱」によって起こる不具合
・熱暴走
・熱疲労と劣化
・低温やけど
(3)基板設計に必要な伝熱基礎知識
・熱は電気や水でイメージするとわかりやすい
・熱伝導は固体内の温度差をなくす
・対流は固体と空気の温度差をなくす
・対流は熱伝導と流体移動の複合現象
・放射は離れた固体間の温度差をなくす
・アルミ筐体より樹脂筐体が冷える!
・色は放射に無関係
(4)電子機器の放熱経路と熱対策
・機器の放熱経路は2つ,熱対策は3つに集約される
(5)プリント基板の熱設計の基本
・基板の平均温度は熱流束に比例する
・熱源分散と熱拡散が基板熱対策の基本
・部品熱対策の難易度は「目標熱抵抗」で決まる
・【演習】熱拡散性能を定量化する「等価熱伝導率」計算ツール
・【演習】部品リストから危ない部品を見つけるExcelツール
・【演習】基板で冷やせる部品と基板では冷やせない部品に分けるExcelツール
(6)放熱パターン熱設計の基本
・部品温度を下げるための7つの方法(基板の熱対策ツリー)
・部品と基板の熱結合強化
・放熱パターン設計(配線幅や銅厚の効き方
・内層の活用とサーマル・ビアの設計法
・基板を介した部品相互影響
(7)筐体放熱とTIM(放熱材料)の使い方
・各種TIMとその特徴,選定上の注意点
・TIMを使った放熱構造設計
(8)ヒートシンク設計法
・自然空冷ヒートシンク設計手順
・ヒートシンク・パラメータの決め方
・最適フィン枚数の計算
■紹介動画
本セミナで学ぶこと |
熱対策が必要な部品かどうかを見分けるためのExcelシート |
基板放熱を促進する方法:サーマルビアの効果 |
■本製品を購入された方へ 「講義ビデオと講義テキストの視聴方法」
下記リンク先(青字)をクリックし,本製品同梱の説明書に書かれたパスワードを入力してください.
□講義ビデオ(著作権保護のためパスワードがかけられています)
・1_電子機器熱設計のトレンド(18分27秒)
・2_「熱」によって起こる不具合(13分56秒)
・3_基板設計に必要な伝熱基礎知識(1時間30分47秒)
・4_電子機器の放熱経路と熱対策(21分15秒)
・5_プリント基板の熱設計の基本(48分15秒)
・6_放熱パターン熱設計の基本(1時間19分02秒)
・7_筐体放熱とTIM(放熱材料)の使い方(41分41秒)
・8_ヒートシンク設計法(20分07秒)
□講義テキスト(著作権保護のためパスワードがかけられています)
・放熱基板パターン設計テキスト.pdf
□熱解析ツールのライセンス管理用MACアドレス(著作権保護のためパスワードがかけられています)
熱解析ツールのライセンスは,お持ちのパソコンのMACアドレスに対して発行します.こちらからMAC表示.xlsmをダウンロードしてボタンを押すと,MACアドレスが表示されます.表示されたMACアドレス(登録PC2台分)をすべてコピー&ペーストしてinfo@zep.co.jpに送付してください.熱解析ツールとマニュアルのダウンロード先を別途お知らせします.
■講義の目標
・伝熱のメカニズムについて理解できる
・熱設計手法を体系的に学ぶことができる
・Excelを使って基板実装部品の温度を予測できる
■受講対象
・今後熱対策に取り組みたいと考えている回路・基板設計者
・熱を体系的に学びたいと考えている機構設計者
・電子機器の信頼性試験・評価を行っている技術者
・基板の熱解析を担当しているシミュレーション技術者
■用意していただきたいもの
・Windows7以降のwindowsパソコン(日本語OS)
・Excel2010以降のバージョン(VBAインストール済み)
■講師紹介
□略歴
1977年 早稲田大学理工学部 機械工学科卒
1977年 沖電気工業に入社.電子交換機やミニコン,パソコン,プリンタ,FDDなどの冷却方式開発や熱設計に従事.その後,電子機器用熱解析ソフトの開発,CAD/CAM/CAEおよび統合PDMの構築などを担務
2007年 サーマル・デザインラボを設立.上流熱設計と熱解析の両輪による「熱問題の撲滅」を目指し,製品の熱設計,熱対策支援,プロセス改革コンサルティング,研修などを手がける.
□主な著書
1.熱設計完全制覇,日刊工業新聞社.
2.熱設計完全入門,日刊工業新聞社.
3.電子機器の熱対策設計,日刊工業新聞社.
4.電子機器の熱流体解析入門,日刊工業新聞社.
5.トコトンやさしい熱設計の本,日刊工業新聞社.
6.熱設計と数値シミュレーション,オーム社.
7.高密度実装時代の熱設計教科書,トランジスタ技術2020年8月号,CQ出版社.