TMC2209搭載ステッピングモータードライバモジュール【ADA-6121】

TMC2209が搭載されたAdafruit のステッピングモータードライバモジュール

CNCマシン、3Dプリンタなど、正確でパワフルな動作が要求される用途に使用されるステッピングモーターには、バースト大電流、滑らかな動き、マイクロステップ制御対応のPWM制御が可能なモータードライバチップが必要となります。本製品を使えば、簡単かつ静音でステッピングモーターを制御できます。

DIRピンのHigh/Lowで回転方向を設定し、STEPピンのトグルにより一度に1マイクロステップの動作を実行します。STEPトグル毎に1/8マイクロステップで高速化したり、精度を上げて1/16、1/32、1/64マイクロステップにすることもできます。

シングルステップや1/256マイクロステップなど、さらに制御が必要な場合はUARTインターフェースを使用します。デフォルトは1/8マイクロステップモードですが、ジャンパや2本の出力ピン使って、MS1/MS2ピンをHighに接続することで変更できます。ステップ/マイクロステップモードは、その場で調整することができ、DIR/STEPピンのLEDによりモーター信号を目視で確認できます。

マイクロステッピングカウンタが0に戻った時にパルスを出力するインデックス出力、回路短絡や断線などの重大エラーをマイコンに即座に通知する診断出力など多くの機能を備えています。StallGuard と呼ばれる「センサレス停止検出」機能も可能ですが、使用にはUARTインターフェースが必要となります。

UARTインターフェースは自動ボーレート検出機能付きのシングルワイヤシリアルポートで、高精度の通信、診断、制御が可能です。1～256のマイクロステップ、スピード、電流制限、温度制限、 PWM周波数などを設定できます。UARTを使用するには、マイコン用ライブラリが必要(基本動作の制御には不要)となります。

TMC2209は普及しているドライバチップで、多くの3Dプリンタの小型基板に使われています。このような基板は、マザーボードに搭載するには優れていますが、プロトタイピングで使用するにはやや使いづらいものです。本製品にはモーターの電源とステッピング配線用のターミナルブロック、わかりやすくラベル付けされた制御ピン、取付穴が用意されています。

基板には2オンス厚の銅箔が使用され、最大2 Aの電流を扱えます。電流制限機能を使用するには、基板上のポテンショメーターを調整する必要があります。右に回し切った場合最大2 Aまでになります。

【注意】
・大電流ではモータードライバとステッピングモーター共に発熱しますので、チップにヒートシンク(別売)を取り付けてください。ハイプロファイル(約80C/W)またはロープロファイル(90C/W) のヒートシンクを表面に取り付けられます。

●特長

・ADI Trinamic社製TMC2209 DMOS マイクロステッピングドライバ (過電流保護回路付き)
・モーター電圧:5～29 VDC
・Vdd/ロジック電圧:3～5 V( Arduino互換、ESP32、Raspberry Pi 、SBC)
・VMotor 電源/4線式バイポーラモーターを簡単に接続できる スクリューターミナルブロック(26～20AWGスロット、2.54 mmピッチ)
・2ピン(DIR/STEP)だけでステッパー制御
・デフォルト 1/8 マイクロステップモード。MS1/MS2 ピンのHigh設定またはUART経由で変更可能
・LEDインジケータ
　－赤/緑LED:DIRの正転/逆転方向
　－黄 LED:STEPによるモーター動作状態
・低消費電力の制御ラインの有効化/無効化
・マイクロステップのゼロポイント通過でインデックス出力をトリガー
・出力短絡やストール検出(要UART設定)などの診断出力
・電流制限ポテンショメーター(最大2 A)
・モータ―電力側に22 uF 35 V 電解コンデンサ
・大電流/ヒートシンクに対応した2 オンス銅箔厚
・取付穴四つ

【注意】
・ボードは組立テスト済で、ピンヘッダが付属します。取り付けにはハンダ付けが必要です。
・マイクロコントローラ、モーター、電源は別売りです。
・DIR/STEP ピンを切り換えるには、ドライバ基板が必要です。

【セット内容】
・Adafruit TMC2209搭載ステッピングモータードライバモジュール ×1
・2.54 mmピッチ 10ピン ピンヘッダ ×1

【資料】
・使用ガイド
・TMC2209 データシート